言葉にして伝えられるうちに伝えておけ【死神と少女紹介】
先日乙女ゲームメーカーのTAKUYOからとある発表がありました。
【お知らせ】死神と少女PSVita版の発売が決定しました。
— 死神と少女広報局 (@sinigami_k) 2019年4月8日
PSVita版特設ページ(https://t.co/3aolruQAGN)の開設と共に、こちらの死神と少女公式Twitterを期間限定で再始動。
最新情報などはこちらから発信していきますので、ぜひ楽しみに待っていてください。 #死神と少女 pic.twitter.com/jxhRBlISV2
TAKUYOとは……死神と少女とは……なんなの……わからない……という方が多いかと思いますが、TAKUYOとは乙女ゲームを製作している会社で、死神と少女はそのTAKUYOが2011年に発売したPSP専用乙女ゲームになります。
正直言って、TAKUYO自体オトメイトやRejetなどの最大手というわけでもなく、そんなに有名な作品を作っているというわけでもないので、よっぽど乙女ゲームが好きな乙女ゲーマーは知っている作品くらいのものだと思います。
もう初めから言ってしまいますが、私はこの死神と少女という作品が人生で一番心に残っている乙女ゲームです。
好きとか嫌いとかではなく、心に残っています。もちろん好きか嫌いかと言われたら好きと答えますが、なんていうかそういうんじゃないんですよね、キモオタ全開の答えです。
そんな死神と少女が、8年という年月を経てVitaに移植となりました。この作品、おそらく他のTAKUYO作品と比べても圧倒的にVita移植希望の声が大きかったです。
実際にTAKUYOに来た要望メール件数を確認したわけでもないので、ただSNSでの声を見ただけですが、何年経っても「Vitaで移植してほしい」という声が消えることはありませんでした。
まあ今の時代におすすめゲームをPSPで紹介するってなかなかハードル高いですもんね。PSPってジーガージーガーうるさいし読み込み遅いし、快適プレイじゃないですから。
最近のTAKUYOは「死神と少女は死んでも移植しない」くらいのスタンスを取り始めていたので全然期待してなかったのですが、そんなことはなくてよかったです。TAKUYOは出来る子。
まあただぶっちゃけ、移植が決まって「さあ他人にすすめまくるぞ!」と思っても、このゲーム、やるとなるとめちゃめちゃ体力を使います。テキスト量もさることながら、そのストーリーの複雑さ、重さ。
わかる人には伝わると思いますが、死神と少女のシナリオライター藤元さんは名前こそ変わっていますが、あの“大正×対称アリス”のシナリオライター藤文さんです。そうです、あのとんでもなくとんでもない対アリのシナリオを書いた人物が死神と少女のストーリーを全て書き上げています。そりゃ体力使うに決まってる。
ただ勘違いしてほしくないのは、死神と少女は鬱展開やグロ展開などはありません。読んでて「もうやめて~」みたいになるシーンもほぼないです。
また、TAKUYO作品に必ずあるギャグパートも一切ありません。ただ淡々と真面目な会話が進んでいくお話です。
この作品、キーワードは“言葉”。
世界で一番美しい言葉を探す死神と旅人、言の葉システム、など、言葉がかなり大きなキーワードになります。
プレイしてもわかりますが、ゲーム文章は繊細な表現や美しい言葉で溢れています。
言葉って大事ですよね、言葉はコミュニケーションの最たるものでありますし、人を傷つけることも守ることも包むことも出来る。こんなものって世の中には言葉くらいしかないと思います。
死神と少女も、言葉の重さがとても重要になります。何気なく言った言葉や言われた言葉が真相に繋がっていたりします。まあこれがめちゃくちゃ巧みなんですよね、シナリオの練り込まれ具合がすごい。
いや、私何がしたいかって言うと、皆さんにプレイしてほしいんですよね。
私が8年前にプレイして感じたなんとも言えないあの気持ちになってほしい、全員。
初めは発売してから考察ブログでも書こうかと思ったんですが、もう散々考察はされているので、私は販売促進したいと思います。買ってくださいやってください。
因みに考察に関しましては、この方の考察がかなり素晴らしいと思うので、皆さん全クリしてから是非読んでください。
http://blog.souga.fem.jp/?cid=50008
考察に関して私から言うことはもう何もありません。素晴らしすぎる。
さてさて、どうやったら買ってもらえるかなんて全然わかりませんが、とりあえずあらすじやらおすすめポイントやら紹介していこうかなと思います。
まず、そもそもどんな話なのというところからですね。以下あらすじです。
ここではない世界のどこか遠い遠い東の国に、一人の美しい少女がおりました。
少女には作家の兄があり、いつも新作のお話を聞かせてもらうことを楽しみにしていました。
「今度の物語は、孤独な死神を主人公にしようと思っているんだ」
兄が語った今はまだ読むことが叶わぬ物語。
それは、死神と少女が蒼色の空の下で出会い、世界で一番美しい言葉を探す旅に出るというものでした。
少女はいつかその物語が完成することを楽しみに願っていました。
そんなある日のことでした。
蒼色の空の下、時が止まったままの時計塔を見上げている少女に、一人の青年が声をかけてきたのです。
振り向く少女の瞳に映るのは、薄い金の髪、そして空と同じ色をした瞳。
不思議な容貌をした青年は、記憶を失っていました。
青年がただ一つ覚えていること、それは自分が『死神』であるということ––
これは、死神と少女の物語。
(公式サイトより引用)
とまあ、これがあらすじです。設定自体は全然複雑ではありません。女子高生がヒロインの、よくある学園生活乙女ゲームです。世界観にも自然に入っていけると思います。
しかし、このあらすじについて、ここで一つ疑問があります。
冒頭にある、ここではない世界のどこか遠い遠い東の国って、どこなんでしょうね。
だって登場人物はみんな日本の名前だし、見るからに日本で間違いはなさそうです。でもこの舞台は、ここではない世界のどこか遠い遠い東の国なんです。さて、一体ここはどこなんでしょうね……。
遠野紗夜 -美しい少女-
今作のヒロインです。対アリでもそうでしたが、わりと我が強いタイプなので好き嫌いがかなり分かれますね。
この子はとてもしっかりしていて自分を持っていて、いかにも完璧なお嬢さんなのですが、めちゃくちゃ脆いです。なにせ最初から兄にめちゃくちゃ依存しています。強そうに見えてとても繊細で脆くて実はとても弱い。そんな女の子です。
蒼 -記憶を失った死神-
メインヒーローです。あらすじにありました、記憶喪失の死神です。
彼はとても真面目なキャラで、無愛想で、でもどこか憎めない、そんな人です。でも考えてみてほしいんですが、普通死神って黒い服着てませんか?蒼は真っ白な服で、死神というかもはや天使では……。でも彼は頑なに自分は死神だと言い張るんですよね。まあそれにも理由はあるんですが。
ちなみに、蒼ルートは真相ルートになるので一番最後にクリアするのがおすすめです。
遠野十夜 -作家の兄-
ヒロインの兄になります。この兄の第一印象は普通にやべえシスコン。いや、やばいです、開始早々ハッキリ言って気持ち悪いくらい妹と共依存していらっしゃる。妹のことが大好きで大好きで大好きで、妹のためならなんでもできる、妹にゲロ甘々でドロドロに甘やかす優しいお兄さんです。
正直、初めから(これ兄ルートのエピローグかな??)くらいの糖度で始まるので、正式に兄ルートに入ったらどうなるんや……R18になったらどうしよう……みたいな不安がありました。どうなったかは皆さんの目で確認してください。
そして、こんなに妹を溺愛していたら、兄ルート以外に行った場合この兄ちゃんどうなると思います?だってこんなにやばいお兄さんですよ、怒り狂って妹監禁したり相手を殺したっておかしくないレベルなんです。どうなると思いますか?他の攻略キャラに行った時のお兄さんにも是非注目してみてください。
日生光 -理想の王子様-
多分一番人気なのではなかろうか。飄々としていて声帯が鈴木達央。多分一番人気なのではなかろうか。
日生先輩に関してはもうプレイしてくれ、そして感じろしか言えません。彼もかなりキーパーソンで、彼に関して何か言うとぜ〜んぶネタバレになっちゃうのでダメですね。
でも、うん……いや、なんでもないです。
桐島七葵 -堅物な先輩-
彼もキーパーソンです。ヒロインの心良き相談相手になってくれます。彼にしかできない、彼だからこそできることがこの世界には沢山あります。他の人には絶対にできないことなんです、それが。
彼に関しても何か言うとネタバレになっちゃうので言えませんが、一つ言えるとしたら、エンディングムービーでの彼の視線でしょうか。これは全部クリアして真相を知ってから気付くと本当に感動します。彼はそうなんです。そうなんです彼は……。
千代
千代〜〜〜!!!!!千代〜〜〜!!!!!!となります、絶対になります。もう私は千代のせいで涙なしで君が代が聞けない体になりました。側から見たら右寄りのヤバい人ですね。
言葉にして相手に伝えることができるなら、伝えた方がいいんじゃないかなと彼は言うんですが、それがもう、もう……そうだねその通りだねって感じですよね……。
千代に関しては言の葉システムで可視化されるあるシーンがあるのですが、そこは絶対に見てほしい。プレイしていて(ん?)となる不自然な場面があるのですが、その真相がわかるともうダメですね、なんであんなことするんだろうかこのゲームは……。そうなんです、言葉にして相手に伝えることができるなら、伝えた方がいいんですよ。だっていつか、絶対に伝えられなくなる日が来るんですからね。
やばい、書きたいこと全部書いたのに全然販売促進になってない。
でも個人的には満足です。ここまで読んでくれた人は多分買ってくれます。ありがとうございました。